「市販のキャットフード、どれが愛猫にピッタリかわからない…」そんなお悩みはありませんか?
本記事では“安全性”“食いつき”“コスパ”の3軸を軸に、獣医師と編集部が協力して厳選した市販キャットフードおすすめ10選をご紹介します。
ドライ/ウェット別に、成分・原材料・AAFCO・FEDIAF準拠・口コミまで徹底解説。この記事を読めば、猫ちゃんの健康と飼い主さんの安心、どちらも叶える最適な1袋がきっと見つかります。
キャットフードの基礎知識
ドライフードとウェットフードの違いと特徴
市販されているキャットフードには、大きく分けて「ドライフード」と「ウェットフード」があります。ドライフードは水分量が10%以下と少なく、保存性やコスパに優れています。日常使いしやすく、総合栄養食として販売されていることも多く、栄養バランスの取りやすさが魅力です。
一方、ウェットフードは水分量が70〜80%と多く、嗜好性が高いため、食いつきが良いのが特長です。水分摂取をサポートできるので、普段あまり水を飲まない猫にも向いています。ただし、保存期間が短く、価格もやや高めなのがデメリットです。
日常的にはドライフードを主食にし、ウェットフードをトッピングやご褒美として取り入れる“ミックスフィーディング”が市販品では定番のスタイルです。
総合栄養食と一般食の違い
市販のキャットフードを選ぶうえでまず確認したいのが、「総合栄養食」であるかどうかです。これはAAFCO(全米飼料検査官協会)やFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)の栄養基準を満たしており、それだけで猫の健康を保てる栄養設計になっているという証です。
一方で、一般食や間食(おやつ)と表記されているフードは、栄養バランスが取れておらず、総合栄養食の補助としての利用が前提となります。例えば、かつお節やスープ系のトッピングフードなどは食いつきを良くする目的で使われますが、メインの食事にはなりません。
愛猫の健康を守るためには、毎日の食事が「総合栄養食」であることがとても重要です。
無添加・グレインフリーはなぜ注目されているのか?
最近では「無添加」や「グレインフリー」といった表記が目立つ市販キャットフードも増えています。無添加とは、香料・着色料・保存料などの人工添加物が使われていないことを意味します。特に体質が敏感な猫や、アレルギー持ちの猫にとっては安心できるポイントです。
また、グレインフリーとは、とうもろこしや小麦などの穀物を使用していないフードのこと。本来、猫は肉食動物なので、穀物の消化が苦手な個体もいます。グレインフリーの市販フードは、より高タンパクで消化吸収に優れ、下痢や嘔吐のリスクを抑えられる傾向があります。
ただし、無添加やグレインフリーであっても「総合栄養食」でなければ意味がありません。成分表示と併せて、必ず栄養基準の適合マークがあるかも確認しましょう。
市販キャットフードの選び方のポイント
主原料は「肉類」から始まっているか?
市販のキャットフードを選ぶ際、まず注目すべきは主原料です。原材料表示は使用量の多い順に記載されているため、最初に何が書かれているかでフードの質が大きく変わります。
理想的なのは、「チキン」「サーモン」「ターキー」などの動物性タンパク質が最初に来ることです。猫は完全な肉食動物なので、穀物や植物性タンパク質ではなく、良質な肉から栄養を摂るのが自然な形です。
一方、「とうもろこし」「小麦」「コーングルテンミール」などの穀物が先頭に来る製品は、かさ増しやコストカットが目的の場合もあるため、注意が必要です。
タンパク質量は30%以上が目安
次にチェックすべきは成分表示。猫にとってタンパク質はエネルギー源であり、筋肉や内臓、皮膚や被毛の健康維持に欠かせない栄養素です。ドライフードであれば、粗タンパク質が30%以上のものを選ぶのが理想とされています。
また、AAFCOの基準では、成猫用の総合栄養食には最低でも26%以上のタンパク質が必要とされています。子猫(キトン)の場合はさらに高タンパクなものが推奨されます。
脂質も重要なエネルギー源ですが、10〜20%程度が適正です。低すぎても高すぎても健康を害する原因になるため、全体のバランスが整っているか確認しましょう。
添加物の種類と安全性を確認
市販キャットフードの中には、人工保存料や香料、着色料などの合成添加物が使われている製品もあります。これらがすぐに健康被害を及ぼすわけではありませんが、長期間にわたって摂取するとアレルギーや肝臓への負担になる可能性もあります。
避けたい添加物の例:
- BHA/BHT(防腐剤)
- エトキシキン(酸化防止剤)
- 赤色40号、黄色5号などの着色料
一方、天然由来の酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロールなど)が使われているものは、比較的安心して与えられます。「無添加」と書かれていても、必ず成分表を確認する習慣をつけましょう。
AAFCO・FEDIAFの栄養基準に適合しているか?
高品質な市販フードの多くは、AAFCO(米国)やFEDIAF(欧州)などの栄養基準に準拠しています。「総合栄養食」の表示だけでなく、こうした基準の記載があることで、栄養バランスの信頼性が高まります。
パッケージに「AAFCOの基準を満たす」や「FEDIAFに準拠」と書かれているかをチェックするのも重要な選び方の一つです。
この章では、「原材料の見方」「タンパク質と脂質の目安」「添加物のチェックポイント」「国際基準の確認方法」といった、市販キャットフード選びに必要な判断基準をご紹介しました。次の章では、実際におすすめできる市販キャットフードを、編集部が比較したうえでランキング形式でご紹介します。
市販キャットフード徹底比較ランキング【2025年最新版】
成分・原材料・価格・口コミ・安全性の5つの観点から、市販で買えるおすすめキャットフード10選を厳選しました。ドライ/ウェット両方から、総合栄養食・無添加・グレインフリーに対応したバランスの良い製品のみを選出しています。
ランク | 商品名(タイプ) | 主原料 | 特徴 | 価格(税込) | 総合評価 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | カナガンキャットフード(ドライ) | チキン | グレインフリー・ヒューマングレード | 約4,708円/1.5kg | ★★★★★ |
2位 | ジェーピースタイル 和の究み(ドライ) | フィッシュ | 国産・お手頃価格・AAFCO準拠 | 約1,380円/1.6kg | ★★★★☆ |
3位 | モグニャンキャットフード(ドライ) | 白身魚 | 高タンパク・全年齢対応 | 約4,708円/1.5kg | ★★★★☆ |
4位 | ピュリナワン 室内飼い猫用(ドライ) | チキン | コスパ重視・全国のスーパーで買える | 約1,400円/2.2kg | ★★★★☆ |
5位 | キャネットチップ(ドライ) | 穀類+チキンエキス | 安価・量重視・一般食併用向け | 約980円/2.7kg | ★★★☆☆ |
6位 | シシア キャット ツナ&チキン(ウェット) | ツナ・チキン | 無添加・グルテンフリー | 約220円/85g | ★★★★☆ |
7位 | ロイヤルカナン インドア(ドライ) | 肉類・米 | 室内猫向け・毛玉ケア機能 | 約3,800円/2kg | ★★★★☆ |
8位 | ヒルズ サイエンスダイエット(ドライ) | チキン | 獣医師推奨・米国産・長年の定番 | 約2,500円/1.8kg | ★★★★☆ |
9位 | キャットスタンス たまの伝説(ウェット) | 鶏ささみ | 国産・素材重視・水分補給に最適 | 約180円/70g | ★★★☆☆ |
10位 | 銀のスプーン(ドライ) | 穀類+ミートミール | 市販の代表格・味重視の嗜好性 | 約1,300円/2.2kg | ★★★☆☆ |
※価格は2025年6月時点の平均通販価格
ランキングの選定基準について
このランキングは以下のポイントを重視して選定しました。
- 安全性:添加物・保存料の有無、信頼性ある製造元
- 原材料:主原料が動物性タンパクかどうか、グレインフリーか
- 栄養バランス:AAFCOやFEDIAFの基準に沿っているか
- 嗜好性(食いつき):実際の口コミやユーザーレビュー
- 価格帯と入手しやすさ:通販・スーパー・ドラッグストアで買えるかどうか
特に、「市販」という条件を重視し、Amazon・楽天・イオン・ドンキなどで比較的入手しやすいフードを中心にピックアップしています。
実際に試した口コミまとめ|リアルな評価と飼い主の声
市販のキャットフードは種類が豊富で、成分や価格だけではなかなか選びきれないこともあります。ここでは、編集部がリサーチした実際のユーザーの口コミから、特に参考になる声をタイプ別にご紹介します。
カナガンキャットフード:高評価多数のグレインフリー代表格
5歳のスコティッシュが今までで一番食いついたフード。お腹の調子も安定していて安心感がある。(30代・女性)
香料などが入っていないのに、開封したときに「おいしそう」と感じる香り。食べ残しも減りました。(40代・男性)
- 良い点:食いつき◎、うんちが安定、グレインフリーで安心
- 注意点:やや価格が高め、初回はお試しサイズ推奨
モグニャンキャットフード:アレルギー体質の猫にも◎
白身魚ベースだからか、アレルギー体質のうちの猫でも問題なく食べられています。肌の調子も良くなった気がする。(20代・女性)
粒が小さくて食べやすそう。シニアの子でも問題なく噛めています。(50代・男性)
- 良い点:アレルギー対応、高タンパクで低脂肪、全年齢向け
- 注意点:価格はプレミアムゾーン、公式サイトでの定期購入が基本
ピュリナワン:コスパ最強!スーパーで買える安心感
毎月のフード代が気になっていたけど、ピュリナワンはコスパがよく、食いつきも悪くない。毛並みもツヤツヤになった。(40代・主婦)
ドラッグストアで気軽に買えるし、部屋の臭い対策まで配慮されていてありがたい。(30代・男性)
- 良い点:コスパ◎、全国で買える、市販フードの定番
- 注意点:やや穀物多め、人工添加物が気になる方は要確認
ロイヤルカナン:健康志向のリピーター多数
毛玉を吐く回数が明らかに減りました。うちの子にはピッタリだったようです。(50代・女性)
価格は高めだけど、動物病院でもすすめられる安心感があります。(30代・男性)
- 良い点:機能性フードとして優秀、特定の悩みに特化
- 注意点:種類が多く迷いやすい、価格がやや高め
銀のスプーン:嗜好性重視の猫におすすめ
ごはんをあまり食べなかった子が、これだけはガツガツ食べてくれるので助かっています。(30代・女性)
おやつ感覚で与える感じ。あまり長期の主食には向いていないかな。(40代・男性)
- 良い点:とにかく食いつきが良い、香りが強め
- 注意点:主原料に穀類が多く、栄養バランスの面で注意
このように、市販キャットフードにはそれぞれ異なる特徴やメリットがあります。猫の年齢・体質・好みに応じた選択が重要であり、飼い主さんの生活スタイル(価格帯や入手のしやすさ)ともバランスを取ることが大切です。
キャットフードに関するよくあるQ&A|安全性・保存・与え方など
ここでは、初心者の飼い主さんからよく寄せられるキャットフードに関する疑問に対して、わかりやすく回答していきます。市販フードを正しく活用するために、ぜひ参考にしてください。
Q1. 開封後のキャットフード、どれくらい持つの?
ドライフードの場合、開封後は1か月以内を目安に使い切るのが理想です。空気や湿気、光に触れると酸化が進み、風味や栄養が損なわれることがあります。開封後は密閉できる容器(チャック付きパックやフードストッカー)に移し、直射日光の当たらない冷暗所に保管しましょう。
ウェットフードは開封後すぐ使い切るのが原則です。どうしても余った場合は、ラップや保存容器に移して冷蔵保存し、当日中〜翌日中には使い切るようにしてください。
Q2. ごはんを残すことが増えました。フードが合っていない?
必ずしもフードが悪いわけではなく、年齢や体調の変化、季節による食欲の上下などが影響している場合もあります。ただし、食いつきが急に悪くなり、数日間まったく食べない、嘔吐や下痢が続くなどの場合は、体に合っていないか病気の可能性もあります。
まずはいつもの量を少なめに調整してみる・お湯でふやかす・トッピングを加えるなどの工夫をしてみましょう。それでも食べない場合は、フードの切り替えや動物病院への相談を検討してください。
Q3. 総合栄養食と一般食、おやつの違いは?
- 総合栄養食:それだけで必要な栄養素をすべて満たす、主食用のキャットフード(AAFCOやFEDIAF準拠)
- 一般食:栄養バランスは限定的。総合栄養食にトッピングする補助食として使う
- おやつ:嗜好性が高く、栄養は偏りがち。与えすぎには注意(カロリーの5〜10%以内が目安)
「市販だから安心」ではなく、パッケージに何と書かれているかを必ずチェックし、与えるバランスに注意しましょう。
Q4. グレインフリーって本当にいいの?
グレインフリー(穀物不使用)は、猫が穀物をうまく消化できない場合やアレルギー対策として注目されています。ただし、すべての猫にとって必要というわけではなく、必ずしも穀物=悪ではありません。
大切なのは、主原料が「肉」や「魚」といった動物性タンパクであり、栄養バランスがしっかりしていること。グレインフリーにこだわるかどうかは、猫の体質や好みに合わせて判断しましょう。
Q5. フードを急に切り替えても大丈夫?
いいえ、フードの切り替えは7〜10日ほどかけて徐々に行うのが基本です。急に全量を変えると、下痢や嘔吐の原因になることがあります。
初日は「旧フード:新フード=8:2」から始め、徐々に新フードの割合を増やしていくことで、猫の腸内環境が安定しやすくなります。敏感な子やシニア猫ほど、特に慎重に切り替えてあげましょう。
市販キャットフードの選び方とおすすめ再確認
市販で購入できるキャットフードは選択肢が豊富で、どれを選べばよいのか迷ってしまう方も多いと思います。ここまでの内容をふまえ、改めてキャットフード選びの最重要ポイントと、編集部が選んだおすすめフードを整理しておきましょう。
市販キャットフード選びのチェックポイント
- ✔ 主原料が動物性タンパクか?
→「チキン」「フィッシュ」「ターキー」など、肉類が最初に記載されているか確認。 - ✔ 総合栄養食の表記があるか?
→AAFCOやFEDIAF基準に適合していれば安心。 - ✔ タンパク質含有量は30%以上か?
→成猫用であれば26%以上が目安。30%以上ならなお良し。 - ✔ 無添加・グレインフリーなど、安心できる表示があるか?
→香料・着色料・保存料などの添加物が控えめかチェック。 - ✔ 価格と入手しやすさは?
→続けやすい価格帯であるか、近所の店舗・通販で買いやすいか。
目的別フード
目的・重視ポイント | おすすめフード | 特徴 |
---|---|---|
初めてのプレミアム選び | カナガンキャットフード | グレインフリー、高タンパク、安全性重視 |
コスパ&入手しやすさ重視 | ピュリナワン | 全国の店舗で入手可、価格も手頃 |
アレルギー体質対応 | モグニャンキャットフード | 白身魚ベースで安心、無添加&低アレルゲン |
国産&無添加志向 | ジェーピースタイル 和の究み | 国産、和素材、価格バランスも良好 |
ウェットで水分補給 | シシア ツナ&チキン、たまの伝説 | 無添加・ヒューマングレードで安心 |
猫にとって“続けられる”フードが正解
どんなに良いキャットフードでも、猫自身が気に入らなければ続けられません。栄養バランス、安全性、コスパに加えて、最終的には「うちの子が毎日よろこんで食べてくれるか」がもっとも重要です。
市販品だからこそ、選択肢の幅が広く、自分の猫に合ったものがきっと見つかります。少量から試せるフードや、トライアルセットを活用しながら、愛猫にとっての“ベスト”を探してみてください。