猫のひげはどんな役割?
猫の似顔絵を描くと必ずひげを3本口の横に書きます。
ひげは猫にとっての見た目的なシンボルでもあり、飾りのようなものでもありますが、実際にはどんな役割や機能があるのでしょう。
ひげの役割
猫のひげの代表的な役割です。
通れる場所かひげで計る
代表的な機能として通れる場所かどうかのセンサー役。
猫のひげは、口の横だけではなく顔を覆うように生えています。
狭いところでは、顔を入れてみて広げたひげが当たらないかを確認し、ひげセンサーが通る様であれば体も通れると判断します。
目を守る
猫の目はとても大きいのですが、実は近くのものはよく見えません。
目のひげ(眉毛ともいう?)センサーで、異物に触れた瞬間に反射的に目を閉じるようになっています。
大切な目をしっかりと守っています。
平衡感覚を保つ
猫はひげによって平衡感覚や空間把握感覚を保っています。
ひげセンサーによって空気の流れを左右のひげセンサーで感じとります。
空気の流れの変化などから暗闇でも障害物などを感じ取ったり、大きくジャンプする前にも飛べるかどうか判断しています。
スキーのジャンプ競技ではないので、風向きで飛距離が大きく変わることはありませんが、屋外で風が強いと木から落ちる可能性があります。
感情をあらわす
・下向き → リラックスモード
・上向き(10時10分を指す) → 喜んでいる
・横向き・広がっている → 周囲を調査中
・前向き・広がっている → 興味・警戒
・頬についている → 恐怖・防御
・後ろ向き → 食事で汚さないように
猫のひげは、感情や気分を表しています。よく観察してみると、コミュニケーションを促進することができます。ひげから目が離せませんね。
猫のひげの名称
猫のひげは5種類に分けられています。
・上唇毛
・上毛
・口角毛
・頬骨毛
・頭下毛
上毛はひげというよりは眉毛やまつ毛の役割に近いです。
猫のひげは切ってはいけない
猫のひげを切ってしまうと、ひげが本来の機能を果たせなくなり、猫の生活に大きな悪影響を及ぼすことがあります。
平衡感覚や障害物の感知ができなくなり、ひげを切られると動かなくなる猫もいるそうです。
実際の悪影響は以下の通りです。
・障害物にぶつかりやすくなる
・狭いところに入れない、または、入ってしまって出てこれなくなる
・暗い環境で動きにくくなる
・目にゴミが入ったり近くの障害物に目を当て痛めてしまう
・じっとして動かなくなる
・精神的にストレスがたまり、うつ状態になる
猫にとってひげはなくてなならないものです。
ハサミで短く切ったり、無理に抜いたりすることは絶対に避けなければなりません。
猫のひげは縁起物?
猫のひげは「金運」にご利益があると言われています。
抜けたひげを財布に入れて持ち歩く人もいるそうです。
気分的な問題も大きいかもしれませんが、「招き猫」に代表されるように、猫は縁起物として扱われてきましたから、何らかのパワーがあるのかもしれませんね。
招き猫の由来
招き猫は、今では縁起物として定着していますが、その起源は江戸時代にさかのぼります。
彦根藩主が鷹狩りに出かけた際、寺の前を通ると猫に手招きされたそうです。
何事かと寺に入ったとたん、激しい雷雨に見舞われそうです。
藩主にとっては、ずぶ濡れになって大変なことだったに違いありません。
藩主は猫が逃げてくれたことに感謝し、寺を改修して菩薩寺にしたということです。
なんとも地味な話ですが、今では猫は、商売の「客寄せ」「金寄せ」、「健康招来」「良縁招来」など、日本全国であらゆる縁起物のシンボルになっています。