猫が足を前方に投げ出して「まるでおっさんがソファーの上でくつろいでいる」ような座り方をしているのを見たことありませんか?
この猫の座り方は一般的に「おっさん座り」もしくは「スコ座り」(スコティッシュフォールドの座り)と呼ばれています。
*英語では「ブッダポジション」(Buddha Position)と言います。
ただ単に「楽だから」このような座り方をしているような気もしますが、実はスコ座りをするのには意外な理由があるのです。
猫がスコ座り(おっさん)をする理由と意味
①腹や股を綺麗にするため
通常、猫が「スコ座り」をする理由は「腹や股をなめるため」です。
*「腹なめ」は胸元から腹部にかけてのエリアを毛づくろいすること。「股なめ」は排泄の後、股間をペロペロなめてきれいにする行為のこと。
緩めのウンチをした後にもかかわらず、肛門の周囲が汚れていないこともありますよね。また、日によって猫の口からうんちの臭いがすることに驚いたことはないでないでしょうか?
この理由は「股なめ」だと考えられます。
このように、猫には自分でおなかや股間をなめてきれいにするという習性があり、その時にとる姿勢が「スコ座り」(おやじ座り)なのです。
一般的にそれほど長時間この姿勢をキープすることはありませんが、中にはこの姿のまましばらくリラックスしている猫もいます。
②関節の痛みを和らげるため(スコティッシュ)
スコティッシュフォールドは関節の痛みを避けているためにスコ座りをよくします。
スコティッシュの特徴は折れ曲がった耳ですが、この特徴的な耳の形状は骨軟骨異形成による不完全な軟骨によるものです。そしてこれは「Fd」遺伝子による常染色体優性遺伝であることが確認されています。
これは母猫か父猫のどちらか一方から「Fd」遺伝子を1つでも受け取ったら発現するということなのですが、この遺伝子は、耳の軟骨に形成不全を引き起こすのみならず他の関節にも様々な影響を及ぼすことがわかっています。
軟骨異形成が原因で手や足の骨に痛みを抱えている場合、できるだけ体重をかけないためにスコ座りをすると考えられています。
スコティッシュホールドの軟骨異形成
「Fd」遺伝子を1本でも保有している猫、すなわち耳の折れている全てのスコティッシュフォールドは生後6ヶ月頃から手や足先の関節に慢性炎症や変形性関節症をきたす可能性があると言われています。
理由としては、「成長期における骨形成不全」つまり正常な骨の形成が出来ずに、手や足先の骨に炎症が起きてしまい痛みを伴うのです
まとめ
猫がおっさんのように座る(スコ座り)理由や意味はこれで以上になります。
スコティシュに関しては痛みを和らげるためという説は驚きますよね。
また最後に可愛らしいスコ座りの動画を見つけたので一つ貼らせていただきます。
これぞまさしくスコ座りの王道です。この猫ももはやおっさんにしか見えませんね。