猫は好き嫌いがはっきりした生き物です。そのため、体調に合わせて変えたほうがいいキャットフードでも、なかなか変えることができません。その結果、いつも同じキャットフードを与えてしまうということもあるかもしれません。
猫は好みがはっきりしているので、ある程度は好みに合わせてキャットフードを選んでもいいと思います。しかし、いつも同じキャットフードを与えていると、猫の栄養が偏ってしまいます。
猫が健康で長生きするためには、栄養が偏らないように、数種類のキャットフードをローテーションで与えることが推奨されます。
今回は、同じキャットフードをずっと食べさせるべきものとそうでないものの違いや、キャットフードをローテーションする際のバランスの取り方について、わかりやすく解説していきます。
猫にずっと同じキャットフード、与えてはダメなもの
キャットフードは、パッケージに「総合栄養食」と記載されているため、似たようなものだと思いがちです。
キャットフードのパッケージには、次のようなことが記載されているはずです。
総合栄養食とは、猫にキャットフードと水だけで1日の主食を与え、特定の成長段階において健康を維持するための栄養バランスのとれた製品です。
総合栄養食の栄養基準はAAFCO(米国飼料検査官協会)が定めたものなので、問題は無いように思えます。
しかし、次のような成分が含まれている場合は問題です。
原材料は、キャットフードに含まれる量が多い順に表示されています。穀類(小麦、コーングルテン、米など)」と最初に表示されているキャットフードは、炭水化物を多く含んでいます。
肉食動物である猫にとって、タンパク質は重要な栄養素です。タンパク質は、猫の臓器や被毛、骨など、すべてを作ります。そのため、タンパク質を多く含むキャットフードを選ぶことが大切です。
炭水化物が多く、タンパク質が少ないキャットフードを長年与えていると、猫の体内で栄養不足になり、病気につながります。600gあたり500円という低価格のものには注意が必要です。
猫にずっと同じキャットフード、与えたら良いもの
猫に必要なタンパク質は、肉や魚から摂取します。そのため、鶏肉、魚、豚肉、羊肉など、動物性食品が最初に記載されている原材料を選びましょう。例えば、以下のような原材料が含まれていると理想的です。
上記のキャットフードの価格は、340gあたり約1,200円です。先に紹介した600gあたり500円のキャットフードと比較すると、価格は高めですが、十分な量のタンパク質が含まれています。
長い目で見た愛猫の健康を考えると、病気やアレルギーで病院に通うことになれば、その分費用はかさみます。栄養バランスのとれたキャットフードを与え、病気にならないようにすることは、飼い主にとっても猫にとっても安心につながります。
毎日、質の高い食事を与えることを心がけましょう。
ローテーションに適したキャットフード
毎日与えるキャットフードを選ぶ基準は、高タンパクであることです。しかし、猫がずっと同じフードを食べていると、食べ飽きてしまい、ある日突然食べなくなることがあります。
同じものばかり食べていると、中毒やアレルギーの原因になるので、自分を守るために、猫は適量を食べたら食べ飽きるのでしょう。
人間の場合でも、いくら体にいいものでも、偏食は体を悪くすることがあります。猫用のキャットフードも、いろいろなタンパク質を適度にローテーションしてまんべんなく与えることが大切です。
まとめ
同じキャットフードをずっと与えていると栄養が偏ってしまうので、数種類のキャットフードをローテーションしてあげるとよいでしょう。
その際、猫に必要なタンパク質が豊富に含まれているフードを選びましょう。チキン、ターキー、ラム、フィッシュなど、さまざまな種類のタンパク質が均等に含まれているものを選ぶとよいでしょう。
また、猫は1年のうち、毛が生え変わる時期があります(5月~7月)。この時期は、毛が体内に入り、胃腸の活動が低下する時期です。この時期に、ロイヤルカナン療法食ダイジェスティブサポート(利用可能な食物繊維)を与えることで、便秘を予防することができます。
良質なキャットフードを与え、タンパク質のバランスや体調の変化に気を配ることで、愛猫に健康で長生きしてもらうことができます。